南部 国立公園
ルアハ国立公園 (Ruaha National Park)
ウズングワ山塊国立公園 (Udzungwa Mountains National Park)
セルー動物保護区 (Selous Game Reserve)
ミクミ国立公園 (Mikumi National Park)
サダニ国立公園 (Saadani National Park)
ルアハ国立公園
(Ruaha National Park)
タンザニア南部を代表する国立公園。ダルエスサラームから南西方向タンザン・ハイウェイを500km、イリンガの町から120kmほどダート道路を走って大ルアハ川のゲートに到着する。約10時間。2011年に南隣の動物保護区を併入して、面積20,266km2とタンザニア最大の国立公園となった。ちなみに、これはザンビアのカフエ国立公園に次ぎ、アフリカ第2位の広さだという。さらに北隣の動物保護区も準備が整えば、併入する計画があり、もし実現すると面積は45,000km2となるそうだ。入園料$35.40/日(VAT18%込み)。
北部サーキット(セレンゲティなど)と異なり、南部アフリカに連なる景観をしており、見られる動物も少し違ってくる。ローン、セーブルの両アンテロープ、リカオンなどが特色といえる。大ルアハ川に沿っているので、カバ、ワニ、水鳥も多く見られる。獲物のヌーがいないので、ルアハのライオンはセレンゲティのライオンより勤勉という話があるが、本当だろうか?
近年、ルアハ川上流での灌漑農業が進み、川の水位が低下し、乾季にはカバが苦労しているようなのが心配だ。
ウズングワ山塊国立公園
(Udzungwa Mountains National Park)
以前から存在していた5つの森林保護区が一緒になって、1992年に指定された。ダルエスサラームから西南西に走って370km。ミクミの町から南下して約60kmの所にゲートがある。
面積1,990km2の小さな公園だが、イリンガ・レッドコロブスやサンジャ・マンガベイなどの新種のサルや鳥が見られる。大型肉食獣がゲート近辺にいないので、キャンプを張り、森林の中を歩くことができる。すばらしい滝(サンジャの滝)もある。最近、公園外にいくつかロッジができて、キャンピングしなくても泊まれるようになった。入園料$35.40/日(VAT18%込み)。
ニェレレ国立公園
(Nyerere National Park)
旧セルー動物保護区
2019年に国立公園に昇格し、セルー動物保護区の大部分がニェレレ国立公園となった。セルー時代はタンザニア(アフリカ)最大の動物保護区で世界遺産に登録されていた。2つ合わせると面積50,000km2以上で九州の約1.4倍。一部では狩猟が許可されていることもあり、広大なサバンナに動物たちが点在して、セレンゲティの国立公園などと違って逃げ足が速い。かつてはゾウ、サイなどが多数生息していたが、密猟によって大幅に減少したが、最近は厳重な保護体制のもと、頭数は回復しつつあり、ゾウは多く見られる。
ルフィジ川沿いにキャンプが多く、ボートサファリでカバ、ワニ、水鳥を眺めたり、ウォーキングサファリを楽しむことができる。大雨季(3月中旬~6月初旬)は閉鎖される。陸路で行く場合は5-6時間かかり、雨季には行けない。一般的にはダルエスサラームまたはザンジバルから軽飛行機で各キャンプに飛ぶ。ダルエスサラームから1泊2日で楽しめるので、時間のない人やビジネス出張者が、週末にアフリカ気分を味わうのに向いている。時間のある人はタンザン鉄道利用(急行で4時間半)もおもしろい。連休には特別列車が出ることもある。入園料$82.6/日(VAT18%込み)。
南西の境界線付近で、ウラニウムの埋蔵が確認されて、開発計画がある。しかし、発掘作業での環境汚染が危惧され反対運動がある。
ミクミ国立公園
(Mikumi National Park)
ダルエスサラームから西へ300km、4時間、タンザン・ハイウェイを走った所にある。ダルエスサラームから手ごろな距離にあるので、ビジネス出張者が週末動物サファリを楽しむのに向いている。1泊2日がちょうどいい。面積3,230km2。 北部の雄大さはないが、ゾウ、キリン、バッファロー、ヌー、シマウマ、インパラなどは確実に見られ、ライオン、カバも見られる可能性が高い。手ごろなサファリ入門コースといえる。入園料$35.40/日(VAT18%込み)。
サダニ国立公園
(Saadani National Park)
タンザニアで唯一海に面した国立公園で、「野生動物とインド洋が出会う場所」を売りにしている。2002年、旧来の動物保護区に周辺の森林保護区などを合わせて国立公園に昇格した。ダルエスサラームから最も近く、バガモヨから海岸沿いの道を北上出来れば120kmほどだが、現在ワミ川を渡河するフェリーがなく、大きく迂回しないといけない。一般的にはアルーシャへの幹線国道を経由して迂回していくか(3時間半)、軽飛行機(30分)を利用することになる。入園料$35.40/日(VAT18%込み)。海沿いに2つロッジ、テントキャンプがある。大型動物がキリン以外は見づらいのが難だが、ワミ川を遡るボートサファリはカバ、ワニ、水鳥がたっぷり見られ、魅力である。