Habari za Dar es Salaam No.113 "Swahili Coast, Malindi to Mombasa" ― スワヒリ海岸・マリンディからモンバサへ ―
根本 利通(ねもととしみち) スワヒリというとその語源からして海岸地方のことであり、スワヒリ海岸というと南部ソマリアから、ケニア、タンザニアを経て、北部モザンビークにかけた東アフリカ海岸を指す。従って、スワヒリ社会研究というと、北からラム、マリンディ、モンバサ、ザンジバル、...
Habari za Dar es Salaam No.112 "Tembea Kariakoo (2)" ― カリアコー散歩 (2)―
根本 利通(ねもととしみち) 大雨季も明け、涼しくなった6月4日(土)、再度カリアコーをテンベアしてみた。今年は大雨季明けが遅れ、この日も朝にちょっとパラつき、午後にも降った。完全に明けきっていない気配だったが、散策には問題なかった。...
Habari za Dar es Salaam No.111 "Bajeti 2011/12" ― 新年度予算案 2011/12年度 ―
根本 利通(ねもととしみち) 6月8日、新年度予算案が発表になった。昨年の総選挙で存在感を増した野党CHADEMAは影の内閣を作り、予算案の発表前から、自らの主張を公表していた。東アフリカ諸国には北アフリカ諸国(エジプト、チュニジア、リビア)の激動の影響がある。世界的な石油...
Habari za Dar es Salaam No.110 "Ujanja" ― 紹介 『都市を生きぬくための狡知』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 今回は、小川さやか著『都市を生きぬくための狡知ータンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社、2011年3月)を紹介したい。「Ujanja」と表紙カバーに大書されているのが目を引く。「Ujanja」を「狡知」と訳すとややきついというか、悪...
Habari za Dar es Salaam No.109 "Babu wa Loliondo" ― ロリオンドのバブー ―
根本 利通(ねもととしみち) 3月から4月にかけて、タンザニアでは、「バブー(爺さん)」という大スターの話題でもちきりだった。もちろん、国内では憲法改正も大きな焦点だったし、海外では日本の大震災、津波、原発の話も、リビアの戦争の推移も大きな話題だった(アフリカ内では欧米の介...
Habari za Dar es Salaam No.108 "Tembea Kariakoo" ― カリアコー散歩 ―
根本 利通(ねもととしみち) 昨年9月、栗田和明さんの調査について行って、久しぶりにカリアコーを歩いて、新鮮な刺激を受けた。中国人の店も出てきているし、今年1月には産業副大臣の「カリアコーに中国人が増えている。彼らの労働許可、在留許可をチェックする」という声明で、カリアコー...
Habari za Dar es Salaam No.107 "Makombora yanarudia" ― 繰り返されること ―
根本 利通(ねもととしみち) タンザニアは2011年に入り、大変なことがあとから後から出て来ている。 アルーシャの市長選挙をめぐる与野党の対立。野党(CHEDEMA)のデモに警官が襲い掛かり、死者が3名出た。新憲法を要求する野党の要求に、与党は今のところ応えていない。政治的...
Habari za Dar es Salaam No.106 "Tanzanian Traders in Asia" ― 紹介 『アジアで出会ったアフリカ人』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 今年(2011年)は、タンザニア独立50周年である。正確には、タンザニア本土と現在呼ばれるタンガニーカの独立が1961年12月9日だから、そこから数えて50周年である 📷 この機会にと意識されたか、タンザニア関係の書籍が今年は多く出版される...
Habari za Dar es Salaam No.105 "Kikwete, Amamu ya Pili" ― キクウェテ第二期政権の船出 ―
根本 利通(ねもととしみち) 2011年、明けましておめでとうございます。 本年が、世界とタンザニアと日本の人びとにとって、平和で幸せな年になるように祈念します。 📷 抗議の退場をするCHADEMA議員たち©Citizen...
Habari za Dar es Salaam No.104 "Uchaguzi Mkuu 2010 Matokeo" ― 2010年総選挙 、結果 ―
根本 利通(ねもととしみち) 10月31日のダルエスサラームは快晴で、暑かった。人びとは午前6時からの開場を待ちかねて、投票場に並んだ。長蛇の列に並ぶのは、年配者や体調のよくない人には辛かっただろうと思われる。 📷 キクウェテを前面に出したダルエスサラームのCCMの選挙キ...
Habari za Dar es Salaam No.103 "Swahili coast-Mikindani" ― スワヒリ海岸ーミキンダニ ―
根本 利通(ねもととしみち) 10月14日のニエレレデイが木曜日であったのを利用して、3泊4日で南部海岸のサファリに出た。ダルエスサラームから南下して、キルワに1泊。キルワ・キシワニ遺跡を見学して、翌日ミキンダニまで南下、2泊して、ダルエスサラームに戻った。 📷...
Habari za Dar es Salaam No.102 "Heban" ― 紹介 カプシチンスキ著『黒檀』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 8月に、宮本正興著『スワヒリ文学の風土』を紹介したばかりで、また本の紹介と言うのは、やや忸怩たるところもあるが、この本は少し変わっていて面白いと思うので、是非紹介したい。「アフリカの年」50周年のせいか、はたまた南アW杯のおかげか、アフリカ関連...
Habari za Dar es Salaam No.101 "Uchaguzi Mkuu 2010" ― 2010年総選挙 、候補者出揃う ―
根本 利通(ねもととしみち) 📷 8月19日お昼ごろに空港に向かった人は、道路が時ならぬ渋滞で、街から空港まで2時間もかかり、飛行機に乗り遅れるのではないかと、冷や汗をかいたに違いない。この日、選挙の立候補者が選挙管理委員会に届出する最終日であった。特に政権与党であるC...
Habari za Dar es Salaam No.100 "Swahili Literature and Land" ― 紹介『スワヒリ文学の風土』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 今回は、宮本正興著『スワヒリ文学の風土ー東アフリカ海岸地方の言語文化誌』(第三書館、2009)を紹介したい。 📷 まず、本書の構成を簡単に記す 第Ⅰ部:総説ー東アフリカ海岸地方 第Ⅱ部:現代文学の出発ーシャアバン・ビン・ロバート論...
Habari za Dar es Salaam No.99 "Budget 2010/11" ― 新年度予算 2010/11年度 ―
根本 利通(ねもととしみち) 新年度予算が発表になった。恒例の6月第2木曜日で、今年は6月10日だった。5年に一度の総選挙の年だから、政権与党がどういう人気取りの予算案を組んでくるかが関心の的だった。スワヒリ語紙『Nipashe』の6月11日号の見出しは「Bajeti ya...
Habari za Dar es Salaam No.98 "Kondoa Rock Paintings" ―世界遺産「コンドア岩壁画」 ―
根本 利通(ねもととしみち) タンザニアでは最も新しく、2006年にUNESCO世界遺産に指定されたコンドア岩壁画群を見に行ってきた。タンザニアでは7番目の世界遺産で、自然遺産(ンゴロンゴロ、セレンゲティ、セルー、キリマンジャロ)、文化遺産(キルワ、ザンジバル・ストーンタウ...
Habari za Dar es Salaam No.97 "African Rural Areas and Poverty Reduction" ―紹介『アフリカ農村と貧困削減』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 今回は池野旬著『アフリカ農村と貧困削減ータンザニア 開発と遭遇する地域』(京都大学学術出版会2010)を紹介したい。 著者は大学生の時、ケニアのナイロビでスワヒリ語を学んだ。通称「星野学校」の創世記の時代の方である。著者がムワンガ県農政局などの...
Habari za Dar es Salaam No.96 "East African Community Common Market" ― 東アフリカ共同体共通市場 ―
根本 利通(ねもととしみち) 2010年7月1日に、東アフリカ共同体(EAC)共通市場が発足することになっている。2009年11月に、10周年を迎えた第2次EACで加盟5カ国の首脳によって議定書が調印されている。加盟5カ国とは原初のケニア、タンザニア、ウガンダの3カ国と、2...
Habari za Dar es Salaam No.95 "Multilingualism in Africa" ― 紹介 『アフリカのことばと社会』 ―
根本 利通(ねもととしみち) 今回は、梶茂樹+砂野幸稔編著『アフリカのことばと社会ー多言語状況を生きるということ』(三元社,2009)を紹介したい。この本の著者からいただいたのだが、この本の執筆者は16人に上る。そのうち、私が個人的に存じ上げている方々が8人、つまり半数もお...